米国務省『2021年香港政策法』報告書プレスリリース (3/3)

中国語訳:秘密翻譯組G-Translators / 文非、人間四月
和訳:ヒマラヤ東京櫻花団 / 茉莉花

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写真提供:The New York Times

インターネットの自由への影響

香港政府は通常、インターネットの利用を妨害することはなかったが、当局が特定のウェブサイトへのアクセスを妨害したという報道があった。また、一部の活動家は、当局が個人の電子メールやインターネットの使用を監視していると主張する。Facebook、Telegram、LIHKG(現地のウェブサイト)に投稿された情報は、「国家安全法(NSL)」や「公共秩序条例」に基づく逮捕に繋がり、個人や組織の間で懸念や自己検閲が行われている。NSLの実施後、海外の主要なソーシャルメディア企業は、香港警察からのユーザー情報の要求には応じないことを発表した。2020年7月には、4人の学生がFacebook上で分離独立を煽った容疑でNSLに基づき逮捕された。1月には、あるオンライン・プラットフォームの主催者が、香港政府の要請を受けて地元のインターネット・プロバイダーが、香港のユーザーをサイトにアクセスできなくしたと述べた。その後、あるインターネット・プロバイダーが、「国家安全法」の要求に基づいてあるウェブサイトをブロックしたことを確認した。

移動の自由への影響

香港の法律では、国内移動、海外旅行、移民、自主的な帰国を含む移動の自由が規定されているが、報告期間中、政府はこの権利を一部制限していた。香港の法執行機関は、「国家安全法」の規定を利用して、1月に逮捕された55人を含む、「国家安全法」に基づいて逮捕された民主活動家や反対派政治家の旅券を告訴もせずに没収した。政府の検察官は、反政府抗議活動に非暴力で参加したことに関連して、「国家安全法」以外の罪状で起訴された活動家、抗議者、政治家の旅券を押収したり、渡航禁止を執行するよう裁判所に求めたりすることがある。活動家の報告によると、2020年8月、香港警察は渡航禁止の活動家12人がスピードボートで台湾に渡航しようとしたところを監視し、中共海兵隊に拘束されることに至った。深圳当局は2020年12月に未成年者2名を送還し、現地で起訴、残りの10名の活動家は7ヶ月から3年の懲役刑に処せられた。

宗教・信仰の自由への影響

香港は一般的に宗教や信仰の自由を尊重している。しかし、「国家安全法」の施行後、一部の宗教指導者や擁護者は、同法によって香港政府が破壊行為の疑いに対抗するという名目で、宗教や信仰の自由、表現の自由を制限するようになるのではないかとの懸念を表明した。2020年12月、警察はある教会の銀行口座を凍結し、教会の建物2棟を家宅捜索、教会関係者2名を逮捕した。これはクラウドファンディングのキャンペーンに関連して、教会がマネーロンダリングと詐欺の疑いで捜査を受けているためとした。同教会の牧師は疑惑を否定し、今回の家宅捜索と資産凍結は、同教会が民主化運動を支援したことに対する政治的報復だと主張している。

米国市民への影響

2019年には110万人の米国市民が香港を訪問または通過したのに対し、香港には推定8万5千人の米国市民が居住している。2020年には8万1千人の米国市民が香港を訪問または通過しているが、これは中共ウィルスが原因で厳しい渡航制限による減少だ。香港の犯罪率は低いままである。2020年6月にNSLが実施されて以来、中共国は香港での警察・治安権限の行使を強めており、中共国を公然と批判する米国市民は、香港や海外で逮捕、拘留、国外追放、起訴される高いリスクに晒されている。今年の1月、香港警察はNSLに基づいて米国市民一名を逮捕した。

米国市民が逮捕された場合、警察は関連部署に速やかに通報し、警察は米国領事の面会を促す。移民局は、空港での逮捕や入国拒否の際に、領事への通知やアクセスをタイムリーに提供している。しかし、香港政府はもはや二重国籍を認めておらず、1997年から施行されている「中華人民共和国国籍法」の新たな規定により、中共国籍を持つ米国市民に対する領事支援が拒否されている。

学術・コミュニケーション界への影響

「国家安全法」は、香港政府が学校や大学で「国家安全教育」を推進することを義務づけている。2月、香港教育局は、政府が援助する学校や、程度の差こそあれ、インターナショナルスクールや私立学校において、全レベルで国家安全教育のカリキュラムを実施することを義務づけるガイドラインを発行した。また、教育局は学校に対し、「国家安全法」や「基本法」、その他の香港の法律に反するカリキュラムや活動を防止・停止するよう指示した。

学者や民主活動家たちは、NSLに関連する中等教育の教科書の変更を報告した。2020年8月、多くの教科書出版社が、政府主導によるリベラルアーツ教科書の自主的な見直しに合意した。メディアの報道によると、これらの出版社はその後、「三権分立」という言葉、香港の抗議活動に関連する画像、中共国の政治体制への批判を削除したという。2020年11月、キャリー・ラムは公立高校のリベラルアーツ教育部分の変更を発表した。全ての新しい学習教材や教科書は、教育局の事前承認が必要となる。 一般教育のカリキュラムを縮小し、中共の国家発展、中共憲法、香港基本法、法の支配を中心とした内容にシフトする。

香港当局は教師に政治的な発言を控えようと促した。2020年10月、香港当局は、表現の自由について教室で議論する際に香港独立に関連する資料を使用したとされる小学校教師の免許を取り消し、事実上、その教師が香港の教育現場で働くことを生涯禁止した。2020年11月、当局は、歴史の授業で事実を歪曲したとされる2人目の教師の免許を取り消した。2020年7月、当局は2019年の抗議運動に関与した教員に対する200項目近くの調査の開始を発表した。2020年7月、香港大学は大学評議会の勧告に反して、抗議運動「Occupy Central」の組織化に関与し刑事上の有罪判決を受けたことを理由に、終身在職権を持つ法学部教授で民主活動家の戴 耀廷を解雇した。

米国の教育機関は通常、香港の教育機関と広範な学術、文化、教育、科学の交流を行っているが、COVID-19の発生により、香港のキャンパスでの対面式の授業や、ECAが出資する香港への交流プログラムをすべて停止した。大統領命令(E.O.)13936により、2020年7月に香港のフルブライト・プログラムが終了した。

残された自治権限の領域

中共が香港の政治的自治を侵害する行為を行ったにもかかわらず、本報告期間中、香港と中共の間には経済的、法的、商業的に大きな違いが引き続き存在した。報告期間前と同様に、香港は商業協定を執行する権限を引き続き行使し、関税・非関税障壁を最小限に抑えた自由で開かれた貿易を実践している。香港の法制度は引き続きコモンローの伝統に基づいているが、全国人民代表大会の実施や中共からの圧力により、司法制度の独立性が保たれているかどうか、深刻な懸念が生じている。財産権は法律上も、実際にもよく保護されている。香港は、米ドルと連動した独自の通貨を保持している。香港金融管理局は、中国人民銀行から独立して金融政策を決定する。香港は、金融活動作業部会、アジア太平洋経済協力フォーラム、国際オリンピック委員会、世界貿易機関など、24の国際機関や多国間組織に中共国本土とは別に引き続き参加している。

米国-香港間の協力と協定

米国と香港は、税制、小包配達、航空サービスなどの点について、幾つかの二国間協定を継続している。しかし、香港正常化に関する大統領命令13936に基づき、米国は2020年8月に香港政府に対し、逃亡犯罪人の引き渡しに関する協定を中断し、受刑者の移送に関する協定および特定の相互の免税に関する協定を終了したことを通知した。これに対し、香港政府は米国に対し、刑事事件の相互法的支援に関する協定の停止を通知した。米国の法執行機関と香港警察の国家安全部との間で接触はないが、米国の法執行機関は、人身売買、密輸、麻薬密輸、知的財産権の窃盗、金融犯罪、マネーロンダリング、テロリズムなどの撲滅に向けて、その他の香港の法執行機関と協力を続けている。

輸出管理

2020年6月、商務省産業安全保障局(BIS)は、これまで差別的待遇を受けていた香港への輸出、再輸出、または香港内での転送に対するライセンス例外措置を停止した。今回の規制変更により、香港のライセンスの例外規定が中共のそれと一致することとなった。これまで許可されていた幾つかの香港のライセンス例外は、規制変更の影響を受けた。2020年12月、BISは「ミリタリーエンドユーザーリスト」を作成・公開した。香港の企業3社は、外国の軍隊を支援していることで知られている企業の最初のリストに含まれており、特に香港政府飛行局は、中共人民解放軍を支援している。また、BISは米国の輸出先として香港を独立させた。貿易のハブであり、主要な港湾都市である香港を経由して、米国の規制対象品目が違法に積み替えられるリスクがあり、幾つかの香港企業が違反の疑いでBISのエンティティリストに掲載されているが、BISは香港の担当者と協力して、香港を経由した積み替えのリスクを低減している。

制裁の実施

米国は、制裁措置の発動に関する問題について、香港政府と定期的に連絡を取り合っており、香港に拠点を置く多国籍企業や地元の金融サービス企業は、近年、制裁措置に関連するリスクに対する認識を高めており、コンプライアンスの向上に繋がっている。北朝鮮制裁に関する国連専門家パネルの報告書では、香港で登録された事業体に言及しているが、その多くはオーナーが香港に拠点を置いていないフロント企業だ。時を経て、香港政府は行政区内での国連制裁に関連する可能性のある行為に対する調査を強化してきた。しかし現在まで、香港政府は、国連の対北朝鮮制裁に関連して香港にいる個人に対して香港の法律に基づいて行動を起こしておらず、個人を起訴していない。ただし、北朝鮮に関連する経済活動を助長している疑いのある企業の登録を解除している。財務省は、イラン関連の制裁措置として、香港に登録している複数の団体を制裁している。

米国の制裁

報告期間中、米国政府は、香港の自治を弱め、香港の基本的自由を抑圧するNSLやその他の行動・政策の開発・採用・実施に関連して、大統領命令13936に基づき、4回に分けて35人の香港・中共政府関係者に経済制裁を科した。2020年10月、国務省は「香港自治法」に基づく報告書を提出し、中共が「共同声明」と「基本法」の下での義務を果たさないことに実質的に貢献したとして、大統領命令13936の下でも制裁を受けた10人の政府関係者を特定した。また、経済制裁を科された政府関係者とその直系親族は、大統領命令第7条に基づくビザ規制の対象となる。

「香港政策法」の調査結果

2020年7月、トランプ大統領(当時)は、「香港政策法」第201条(a)の特定の米国法への適用の停止に関する大統領命令13936を発令した。13936は本報告に添付されている。報告期間中、「香港政策法」第202条(d)に基づく協定の終了ではなく、同法第201条(b)に基づく決定もなかったが、上記の二国間協定の項で詳しく述べたように、米国は1つの協定を一時停止し、他の2つの協定を終了させた。

リンク:

2021 Hong Kong Policy Act Report

中国語訳

この記事は著者の意見であり、GNewsとは関係ありません

校正:ヒマラヤ東京櫻花団 / 春華秋実
責任編集:ヒマラヤ東京櫻花団 / 旭鵬(文鵬)
アップロード:ヒマラヤ東京櫻花団 / 煙火1095

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